1999年

シェフ増井の
フランス紀行
ブルゴーニュ
ローヌ
ワイン情報

 

 

 

 

 


 

 このホームページをのぞいてくださりありがとうございます。
パリジェンヌクチーナototoの総料理長をしています増井です。
他のページではお店の紹介などをしていますが、このページは
私個人のページとして、色々な話題を取り上げていきたいと思います。
料理の話に関わらず、いろいろな方面に渡って皆様に発信します。

ボーヌに行ったらぜひお寄り下さい 18種類のワインが
50フランで 飲める 「 マルシェ・オー・ヴァン」
ボーヌの町の中心にHotel-Dieuがあります。その前にMarche au Vinsがあります。
地下に受付があり、50フラン(日本円で1200円ぐらい)払って入場しました。
地下のワイン倉庫の薄暗い通路にワイン樽があり。樽の上のロウソクの炎に照らされてワインがあり、ワインと静かに対話するような雰囲気でした。
ワインの説明書がはってあり、また、英語とフランス語でワインの説明をアナウンスされていました。
白ワイン8種類、赤ワイン10種類と、全部で18種類のワインを順にテイスティングしました。
シャブリ、コルトン・シャルマーニなどの白ワインを味わってから、クロ・ド・ヴージュ、アレックス・コルトン、ヴォーヌ・ロマネなどの錚々たる赤ワインを順に味わいました。
飲み放題ですからついいい気になって、飲み意地の張った私は、この時とばかりたくさん飲みました。
だいぶ酔いました。外国の方はスマートに味わっていました。反省してます。
皆さんぜひ、ブルゴーニュに行かれたおりに、マルシェ・オー・ヴァンにお寄り下さい。お得ですよ。
なお、地元の観光局の判をもらうと40フランになります。(安くてどうも、ごめんなさいと、ボーヌの町長が言ってました?)

日本人に人気のシャブリは ブルゴーニュ地方の最北です

ボーヌからパリに向かって、高速道を北に100キロ行くと、そこにシャブリがあります。シャブリのブドウはシャルドネ種です。ブルゴーニュ地方での白ワインのほとんどがシャルドネです。南北に200キロ分布していまので、気温の差はかなりあります。同じシャルドネ種のブドウから出来上がった白ワインは、気候の差でかなり味の違いがあるようです。シャブリの特徴は、爽かな酸味が魚介類とよく合うということです。ドイツよりのアルザスワインに、かなり似通 った性格があります。北の寒いこと、日射量の少ないことから、畑も南向きの急斜面 あり、太陽の恵みを少しでも多く、浴びられるようなっていました。従って、ボーヌとは畑の地形がかなり違っていました。ブドウの味も酸味がかなり強く、いかにも生牡蛎に合いそうでした。小さなシャブリ村で、シャブリを飲みながら食事をして、畑を歩いてからパリに向かいました。
パリまで200キロです。

 


ビショー社のワイン醸造設備は一流です!

写真は、アルベール・ビショー社の近代的な醗酵タンクです。同社は日本における、メルシャンとかサントリーのような会社です。自社畑からのワインや、色々のワイナリーからのワインを集めて、ブレンドしボトリングしています。フランスでのワイン会社の大手です。社長の次男のクリストファーが工場を案内してくれました。長男のアルベリックが畑とワイナリーの案内と、ランチを接待してくれ、フランスと日本のワイン事情を話してくれました。フランス人一人当たりのワインの消費量 が、この10年で半分になったこと、ポリフェノールが多い赤ワインの消費が、世界的な健康ブームで急激に伸びたこと、ワイン後進国の日本が、赤ワインブームで重要な輸出先になったこと、日本のワイン会社の経営状況がフランスからよく見えること(フランスからのワインの仕入れ代金が、なかなか払えないとこがあるとか)
色々参考になりました。


赤ワインの王様、ロマネ・コンティ
同じような畑で、なぜ味が違うのか?

少しご無沙汰してました。
幻のワイン”ロマネ・コンティ”のある、ヴォーヌ・ロマネ村の次は、ナポレオンが最も愛した赤ワイン、”シャンベルタン”のあるジュヴレ・シャンベルタン村です。ナポレオンは、戦争の度にこのワインを持っていったとか、ロシア遠征にもあったようです。ナポレオンはかなりの食通 ですね。さすが、フランスの皇帝。現代のフランス料理のベースも、このころに作られました。ナポレオンは、フランス料理とワインの関係に、かなり精通 していたと思われます。さて、ジュヴレ・シャンベルタン村につき、グラン・クリュ畑のシャンベルタンと、シャンベルタン・クロ・ド・べーズ、シャルム・シャンベルタンに行きました。両者とも、良いワイン共通 の場所、南斜面の中ほどに、隣り合せにありました。例によって、畑に入りブドウの味を見ました。
さすがに、ブルゴーニュ地方におけるピノ・ノワール種の最高級のバランスの良いブドウでした。記念に、シャルム・シャンベルタン1982マグナムを購入し、日本へ持ち帰りました。日本に帰って7日後に店のスタッフと飲みました。今は瓶だけがあります。
味は?もちろん、ファンタスティク!



世界最高の白ワインと言われる モンラッシェMontrachet

いよいよ、ブルゴーニュ地方のコート・ボーヌ地区にある、ピューリニー・モンラッシェに来ました。白ブドウのシャルドネーから作られる世界最高の辛口の白ワインが、ここにあります。特級畑は、モンラッシェ、バタール・モンラッシェ、シュバリエ・モンラッシェです。これらの銘醸ワインは、黄金色でスモーキーな品のある強い香りと、味わいは一口にグレイトです。生牡蛎にシャブリとよく言われますが、モンラッシェには牡蛎がぶっ飛びます。それほど格が違います。ソースのしっかりした魚料理や、肉料理にもよく合います。コース料理の時に、白ワインにモンラッシェを用意すると、次の赤ワインは、かなりハイレベル赤ワインが求められます。ボルドーでしたら、シャトー・マルゴー、シャトー・ラツールなどでです。ブルゴーニュでしたら、ロマネ・コンティ、ラ・ターシェなどです。とにかく、最高レベルのワインの取り合わせになります。一般 ピープルの私たちでは、なかなか味わえないですね。例によってブドウ畑に入り、美味そうなブドウを10房ぐらい食べまくりました。(忘れないために、ただ意地汚く・・・)シャトー・グリエの白ブドウ(ヴィオニエ種)と、モンラッシェの白ブドウ(シャルドネ種)は、何か共通 のうま味を感じました。両者とも、ブドウ果汁のエキスの濃さが違うんですよ。自然と大地の恵みを、人間が感謝を込めて、何百年も美味しいワインを求めて、味を追及してきた結果 ですね
フランス人の味に対する執念に乾杯! 中買人の人たちが、私の体重以上のマグロを、かけ声と手の合図で競り落としています。
なかなか壮観です。


ボジョレーはおおらかで広い

ブルゴーニュ地方の最南端、ボジョレーに着きました。なだらかで広々と畑がつづき、気持ちが大らかになるようなところでした。ボジョレーの99%は赤ワインです。ブドウ品種はガメイです、新鮮でフルーティーな香りと明るい色調で、さわやかな酸味があります。一般 に安酒のイメージがありますが、中には素晴らしい村名ワインがあります。ムーラン・ナ・ヴァン、サンタムール、モルゴン、フルーリーなど、10の村があります。写 真はムーラン・ナ・ヴァンの畑です。アルコール分もしっかりしており、味わいもボジョレーにしては厚みがあります。普通 のボジョレーと違って畑の手入れもよく、丘の南斜面の中ほどにありました。ボジョレーといえばヌーヴォーですね。11月の第3木曜日解禁されます。今年は19日の木曜日です、なんとなくこの時期になると飲みたくなります。ただ日本では高すぎるのが問題かなと思います。不景気なこの頃ボジョレーヌーヴォーで新しい来年を明るく迎えたいですね。
19日は皆様とともに乾杯!


ピラミッドはさすがです!

いよいよ、レストラン”ピラッミッド”に食事に行きます。ブドウ畑に入っていたものですから、ジーパンと泥靴からスーツに着替え、ピラッミッドに到着しました。店の前に石で作られたピラミッドがありました。それでお店の名前もピラミッドとつけられたとか・・・中に入るとさすがの造りです。リザーブしてありましたので、いい席にエスコートされました。メニューはシェフ”パトリック・アンリルー”おまかせです。世界最高の、フランス料理のシェフ”フェルナン・ポワン”が興したヴィエンヌの三つ星レストラン”ピラミッド”は、世界のグルメを魅了しました。ポワン氏没後一時かなり評判を落としましたが、パトリック・アンリルー氏の登場で、来年のミシュランでは三つ星確実と言われています。料理は噂どうりでした。
力強くて繊細なソース、盛りつけ、メニュー構成と、素材を大事にしながら、基本に忠実なテクニックには、明日に向かう勢いを感じました。メインは鴨のローストでしたので、もちろん、コート・ローティ’89を注文し、デカンタージュされました。先程のワイン畑と、ブドウの味を思い出しながら、ワインを嗅ぎ、口に含み味わいました。強いブーケの後に熟成したワインの味は、ボルドーのポムロールの上級ワインのようにマイルドです。ローヌ地方のワインの主張はしていました。鴨のローストとの相性も良かったです。タップリ満足して、シェフに調理場を案内していただきました。ゆったりしたレイアウトと清潔な器具、スタッフの締まった態度と料理に対しての情熱を感じました。皆さんヴィエンヌにお越しの時はぜひお進めします。ただ費用の方はかなりかかります。
次はリヨンを通り越してボジョレーに向かいます。


ローヌワインの最北端はコート・ローティ

アヴィニョンからローヌ川を上って200キロ、エルミタージュと並んで、ローヌの代表的赤ワイン、コート・ローティの畑につきました。ローヌ川に沿った道の南斜面 に,コート・ローティはありました。シャトー・グリエほど急ではありませんが、かなりの勾配です。コート・ローティのブドウは、シラーを主体とし、ヴィオニエを混ぜています。ブドウ畑に入りブドウの味を見ますと、果 実味がしっかりしており、ブドウの皮はタンニンが強くて、バランスの良い味でした。このブドウなら、いいワインが出来るだろうと納得しました。何度か、このワインを飲んだことがありますが、ブルゴーニュに近いせいか、ローヌのワインにしては洗練されているような気がします。ローヌワインの名門、ギ・ガルとシャプティエの字がブドウ畑の石のカベに、大きく書かれていたことが印象的でした。ローヌワインの南部は、比較的なだらかな斜面 にブドウ畑がありましたが、北部は急勾配の南斜面にありました。ローヌ地方と言えども、全く性格の違うワインが出来上がっていることを体験できましたこの後に、すぐ近くにあるレストラン’ピラミッド’に行って、コート・ローティを、料理に合わせてみたいと思いました。
さあ、次はピラミッドです。お楽しみに


シャトー・グリエはすごい場所です

Chteau Grillet(シャトー・グリエ)と言われる白ワインを、皆さん聞いたことありますか。ボルドーのワインではありません。ローヌ地方の北側にある、わずか2.6haのA.O.C.の小さな畑です。この白ワイン(ヴィオニエ種から作られる)がなかなか手に入らないです。私も2回しか味わったことがありません。
ル・モンラッシェとシャブリのグランクリュを合わせたような、深い味わいのワインでした。(最後に飲んだのは15年前だと思います。かなりいいかげんな記憶ですが・・・)タン・エルミタージュを出発し、ローヌ川を北上して80キロぐらい行くと、急こう配の小山の斜面 に畑がありました。今まで広々とした畑を見てきたものですから、猫の額ほどの広さでした。日光のいろは坂のような山道を車で上がり、畑の上部に車を止めて下を見ましたら、下が谷底のようなブドウ畑でした。ブドウの収穫がこんな急斜面 では、大変だろうと、感心しました。畑に入ってブドウ(ヴィオニエ種)を摘むと、酸味が嫌みがなくしっかりしていて、エキスが濃く糖度も高くバランスがしっかりしていて、とても美味しい。ワイン用のブドウは食べてもあまり美味しくないと、どこかのソムリエが言ってましたが、トンデモアリマセン。巨峰やデラウエア、マスカットと同じレベルで味を表現してはいけません。美味いブドウだから美味いワインが出来るのです。残念ながら、このワインは高すぎてこの時は飲めませんでした。いつか飲みたいですね。
次の畑は、ローヌ地方の最北端のコート・ロティ、
お楽しみに


ローヌ川の左側にエルミタージュがありました。
急斜面でビックリ!
アヴィニヨンから
ローヌ川に沿って北上して150キロぐらい行くと、タン・エルミタージュの町があります。川の左側に町があり、そのまよこに小山があり、その斜面 がエルミタージュです。
ローヌ川と町とエルミタージュの畑が一体化した素晴らしい風景です。歩いて険しい斜面 を上ると、小山の頂上までが全部ブドウ畑です。トラクターでしかブドウは運べない急斜面 です。こんな所で、ブドウの摘み取りは大変な作業です。エルミタージュは素晴らしいワインです。厚みのあるボデーで男性的な味です。ブドウ(シラー種)を食べると、深みのある果 実味とエキスが濃く、舌にジッときました。美味かった。こんな険しい斜面でワインを作ろうとする、フランス人の味に対しての執念に、敬服しました。その日の宿は、対岸にある、小さなホテルに泊まり夕食をとりました。ローヌ川にたくさんいる魚で、サンドルのムースリーヌを前菜で、メイン料理は鴨のコンフィを食べました。もちろんワインはエルミタージュ’92です。昼間訪れた、エルミタージュの畑の光景と、ブドウを思い出しながら味わいました。ホテルは質素でしたが、料理はしっかりしてました。ソムリエの息子と二人で泊まって夕食と朝食をとって、2万円でお釣りが来ました。しかもエルミタージュを飲んで・・・
フランスに乾杯!!

ローヌ地方の南側のワインはこしがある
なだらかでおおらかなワイン達

プロヴァンスからアヴィニヨンに行き、市内を抜けると、そこには広大な、なだらかなブドウ畑がありました。看板にリラックとあり、車を止めてブドウ畑に入り、白ブドウを摘みました。そこそこの酸味と果 実味がありました。畑の中にトラクターが入っており、収穫の仕方は雑のようでした。やはり安いワインだからコストをかけられないのかな。隣の地域にロゼで有名なタベルがありました。リラックと同様に機械化してコストを余りかけてないようでした。少しはなれて、シャトーヌフ・ドュ・パープがありました。ローマ法王の別 荘だったシャトーが、丘の上に建っており、その下に小さな町があり、丘を中心に斜面 がブドウ畑で、握りこぶし大の石が、ごろごろのブドウ畑で、手入れがよく、きちっと手で摘まれていました。赤ブドウ(シラー種、グルナッシュ種)は、食べると強い果 実味としっかりしたタンニンも感じられ、非常に美味しいブドウでした。日本では、シャトーヌフ・ドュ・パープはあまり人気がありませんが、フランス人はこのワインをかなり評価してます。私はこのワインが大好きです、ボルドーやブルゴーニュと違って、地味ですが芯が強くて、自分の存在感を主張しているワインです。(自分もこのワインの様な生き方をしたいと思っています?)ジビエと合わせると、これがまた料理を引き立ててくれるんです。
20年間このワインを飲んでますが、不思議と新鮮です。
価格的にもほどほどに3千円〜4千円ぐらいで買いやすい。ありがたいですね。
次はローヌのやや北側のエルミタージュです、お楽しみに


プロヴァンスのワイナリー ドメーヌ・ロザード

プロヴァンスのLe Lucにありますワイナリー、ドメーヌ・ロザードをおとずれました。ほんとうに田舎でした。平坦な日当たりのよい地形にワイナリーはありました。工場の周りにはオリーブが植えてあり、南仏らしく温暖な気候だと実感しました。小規模のワイナリーでしたが、清潔で丁寧にワインを作ってました。スタッフも感じのいい人ばかりでした。このワイナリーは実は、日本の企業の出資した会社です。その会社は伊藤ハムです。もともとこのワイナリーは、かの有名なフランス料理店ツールダルジャンの持ち物だったとか、ツールダルジャンと伊藤ハムが商品で提携していたから、伊藤ハムに移ったとか。だからこのワインは手ごろで中身もしっかり美味しいのです。私どもレストランのハウスワインです。ワイナリーで飲んだときも美味しかったが、プロヴァンスを思いだしながら飲むと、改めてなかなかのワインだと実感しました。
次はアヴィニヨンに行きタベル、リラック、シャトーヌフ・ドュ・パープの畑のことを報告します。

フランスへは過去、6年前、8年前、11年前、14年前と行きました。
今回は、あまりにも様変わりしていて、ビックリしています。
第一に、イタリアンレストラン(ピザとパスタ中心の安い店)が、
都会でも田舎でも、そこいらじゅうありました。
フランス料理を提供する★なしレストラン、ブラスリー、カフェでの夕食の予算は、
120〜180フラン(日本円2800円〜4300円ぐらい)、
イタリアンレストランだと70〜120フラン(1700円〜2800円)
、フランス料理店より、かなりリーズナブルです。
日本でもイタメシブームで、同様なことが起こり始めていますね。
ただ、フランスでは両者がうまく共存しているように見えます。
第二に、レストランで飲まれるワインの量が、かなり減ったこと。
ワインメニューを見ると、ハーフボトルのあるワインの銘柄がたくさんあること
(11年前までは、ほとんでみうけられなかった)。
ハーフサイズのワインを、1本だけ飲んでるカップルが非常に多かったです。
もちろん、食前酒も食後酒もなし、メイン料理の後のチーズもなし、まるで日本のようでした。
コース料理もオードブル、メイン料理、デザート、コーヒーの方がほとんどでした。
フランスでも飲酒運転が非常に厳しくなったとかで、ワインをあまり飲まなくなり、
また、お金をかけないで、食事を楽しみたいようです。
フランスは過去10年間、経済的に後退しているようです。
失業率は12%(日本は4.8%)、日本の将来を見たような気がします。
また、欧米では、接待でレストランを利用することがほとんどないとか。
これまでの、日本の高級なお店は、接待でもってきました。
これからの日本のレストランでは、会社のお金ではなく、
個人のお金で、いつでも気軽に食事を楽しめることが課題です。
そのためには手頃な価格が重要にです、バースデーとか結婚記念日などのイベントに
、フランス料理店を利用されるのではなく、普段に利用される、
リーズナブルな価格のフランス料理店に、よりしたいと思います。
これからをお楽しみに
今回のフランス行きは、私にとって、将来につながる旅行でした。


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